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スチュアートリトルのメッセージ [学校で]

久しぶりの記事で少々恥ずかしいです。実は全面回復でバリバリ書くにはほど遠いのですが、今日は是非書かねばという気分での復帰です。

スチュアートリトルを知らない方に簡単に筋をお話しします。この映画は、中流クラスの白人家庭の一人っ子の気弱な男の子が、弟が欲しいと言うので両親が施設を訪ねて、養子をつれて帰った。ところが、その弟はなんと、小さな白いネズミだった!というあり得ない話!荒唐無稽な設定だけど、家族鑑賞向けに演出されているのでほのぼのとしていてなかなか楽しい映画だと思います。

でも、僕はこの映画はそれだけではないように思っています。これから見る人には申し訳ないですが、少しだけ映画の中身を話します。

この白いネズミが、施設で両親と初めて出会うとき、「誰も僕を欲しいと言ってくれないんだ...」とかの台詞があるんですが、この主人公の白いネズミが、アフリカ系の少年と置き換えたらどうでしょう? そう考えるとしっくり来るんです。

実は、他にもそれを感じさせる場面が幾つもあるんです。だから、制作者、脚本家、監督などの人たちは、白い小さなネズミに大きなメッセージを持たせてこの映画を撮ったのだと確信しています。

アメリカには、負の歴史をしっかりと受け止めて子どもたちにそれを伝えようと熱い思いで映画を撮っている人がいるんだと思うと嬉しくなります。

あるいは、僕の勝手な深読みかも知れません。百聞は一見にしかず、2月10日に放映されるはずですので御覧になって下さい。

蛇足ですが実は、アメリカ合衆国にとって2月は、「Black History Month」(「アフリカ系アメリカ人歴史月間 」または「黒人史月間」)です。確かこの呼び方は教育関係者から普及したとか、「差別を無くす」と言う重たい問題を、家庭や学校あるいは地域でしっかり子どもたちに伝えていくことは日本でも大切ですね。


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小学校に学ぶグラフ [学校で]

グラフは、量の差異を視覚的に表す手段。だからグラフを使えば直感的に理解できることが多いと信じて来た。しかし最近ではその僕なりの定説がゆらぎつつある。

例えば、2次不等式の解を2次関数のグラフを用いて求める方法は、x軸より上方(または下方)にグラフの存在するxの値の範囲を求めればいいはずだが分からない生徒が増えている。

そんな生徒は、一言で言えばグラフを読み取ることができないのだろう。なぜそうした力をつけることができなかったかの理由は色々考えられるが、力が不足しているならそれなりに力を伸ばしてあげたいと考えている。

そんな折り、小学校3年生の棒グラフの授業実践を知った。

<実践>
(1)クラス全員に大きめでカラーの付箋を1枚ずつ配布して、好きな教科名を書かせる。

(2)回収して黒板に貼った画用紙に張り出す

(3)「どの教科が1番多いかな?」と発問する

(4)分かりにくいことを合意できたらどうしたらよいか考えさせる

(5)集計すれば良いことを確認したら集計用紙を全員に配布する

(6)教員が付箋に書かれた教科名を1枚ずつ読み上げながら黒板に教科別で正の字を書いていく。そして、読み上げた付箋を下図のように張り並べていく。

(7)全て読み上げたら、教科別の合計数を書き込む。

この実践のすごいところは、生徒にとって棒グラフを当たり前のものと考えていないことだろう。そして、グラフの意味と価値も教えているのも素晴らしい。グラフを描けるようにするだけで終わってしまいがちな自分にとっておおいに勉強になった


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当たり前のことだけど... [学校で]

女房は、小学校で教えていて今年は、算数の少人数担当。つまり、算数だけをTT(teem teachingつまり複数教員指導)で教えている。色々な学年、色々なクラスを指導するのでなにかと大変らしい。

TTと言っても担任によって随分と受け止め方に違いがあるらしい。大きな声では言えないが...(書くならいいか?)TTの教員に授業を任せて教室の自分の机で採点作業をしている驚くべき教員がいるらしい。

さすがにウチの女房もあきれて同僚に愚痴ったらしい。そうしたら校長が小耳に挟んだらしく覗きにいったが、ベテラン問題教師は鋭く気配を察知して席を立ったとか。管理職側も粘り強い。今度は教頭が忍び足で再び覗きに来てついに発覚!以後は多少はまともになったとか...なんだかマンガみたいだなぁ〜

こんな先生が1人いるだけで他の人がいい加減と思われるのが腹立たしい!このところ教員バッシングが多い原因もこんなところにあると思う。

そりゃぁ、どんな会社にも問題社員はいるだろう、でも教員はそれと同じに考えることは出来ない。なぜなら仕事の相手は、子ども達であり、直接不満を言えない立場だからだ。また、親は教員・学校を信頼して子どもたちを預けていると言う大前提を忘れてはいけないと思う。

真摯な仕事の姿勢を見せてこそ、子どもや親の信頼も手に出来る。その信頼なしに教育実践なんてできないと思う。


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数えることはむずかしい [学校で]

こうして高校数学を教える立場になった私だが、数列や場合の数の問題をやるときはドキドキする。

例えば、等差数列2,5,8,11,14,....は、2に3を足していくと出来る。だから、n番目は、2+3×n? いえいえ足した回数はn-1回ですから2+3×(n-1)になる。

こんなこと当たり前ってきっと思っているでしょうね。でも、ぼくはこのn-1が怖いんです。

なぜか?たぶん小学校のときの文章問題で痛い思いをいっぱいしているトラウマなんでしょう。問題の中で果たしてnなのかn-1か、それともn+1かで間違った数々....その度に担任から言われる決まり文句「hideo君、次は落ち着いてもう少し考えてみましょうね」
だから、数える問題が絡むととたんにビビってしまう(^^;)

そんな私に家内から植木算の問題の授業の話。なんでも小学校3年生にそんな単元があるんだそうだ。

問題1  10本の木を5m間隔で植えたとき端から端まで何mになるか?

例えばこんな問題。何しろ3年生だから5m×10=50mと考えるのは当然だ。しばらく考えさせると5m×(10-1)=45mの意見がでてく来たんだそうだが、その子どもの説明がすごい!

彼は、手のひらをみんなに見せて、「指は5本あるけど指の間は、4個だよ。だから、木は、10本ならその間は、9個。」と言ったのだそうだ。まさに脱帽! 長い間のトラウマが解けてなくなる気分。それにしても、数えるのって難しいね。

問題2   50mの道に5m間隔で木を植えたら木は何本になるか?

この問題は、50÷5=10 10+1=11本となり逆に1増えちゃう。さらに、

問題3   池の周りに5m間隔に10本の木が植えられているとき、この池の1周の長さは何mになるか?

これだと足すも引くもしないで5m×10=50m

植木算なんて算数の世界だけのことでしょって思われるかもしれないけど、実は色々なところに出てくる。

代表的なところでは、年の問題。平成3年に生まれてた子が平成10年の誕生日には、満7歳。しかし、平成3年に結婚1年目の夫婦は、平成10年には、結婚8年目。オリンピック3連覇した大選手は、8年間世界一の地位にいたことになる。

問題4    2005年から毎年5万円ずつ貯金するとして50万円になるのはいつ?

そんなに難しくない問題だけど、私みたいなうっかり者にはヤバイ問題なんだよね〜


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冷蔵庫体育館で... [学校で]

今日は、部活の大会の引率であった。

最大級の寒波が押し寄せているとか、恐ろしいニュースばかりで昨日から暗い気分でテンションが上がらない...
朝4時半に起きてみると、日の出前の真っ暗な空をひゅーひゅーと風が吹いている「さ...さぶ...さぶい」こんな日に遠征かぁ...

それでも少し気を取り直し、前の日に奥様が買っておいてくれた肉まんと、七味をたっぷり入れたコンソメスープをおなかにしまって外へ出たが。まだ真っ暗...仕事とは分かっているけどやっぱり悲しい気分。

駅から会場までとぼとぼ40分も歩いた...生徒たちも本当に寒そう〜「しっかり歩けばいいウォームアップになるさ」とか言ったけど、気休めとはこのことだね。どうにか会場に着いたが、これがまたすごい体育館で本当に寒い!冷蔵庫の中みたいだ!

試合が始まってよ〜やくテンションが上がって来た。選手は、半袖短パンなので見ているだけで寒そうだが、高校生はやっぱり元気だ。寒い寒いと言いながらよく頑張っていた。負け試合でも最後まで諦めずに食らいついている。こちらも、しらずしらず応援に熱が入る。

試合結果は、1勝3敗で大満足とは言えない、コンディション的にも最悪のつらいつらい1日だったが、帰りの電車に乗ってから生徒たちが晴れ晴れとした表情を見せていたのが印象的だったな。


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ハリーポッターブームを振り返る [学校で]


今晩は、ハリーポッターの映画の新作のを家族みんなで見て来た。実は、ウチの子どもたちはずーっとファンである。

小説「ハリーポッター」は、あんなに厚い本なのに小学生のころから一気に読んでいた。ウチの子だけでなく、僕の生徒の中にも勉強そっちのけで読んでいた不届きものもいたくらいだ。現在は、第一作が書店に並んだときほどの爆発的なブームはないが、それでも映画やDVD でもなかなか人気があるようだ。
  しかし、なぜこうもこの作品は支持をうけ続けるのか?僕もはじめは魔法や怪物など現実離れしたファンタジーだからウケるのだと思っていたが、どうも違うように思う。

 ハリーポッターの特色(魅力)は、登場人物の生き生きとした心理描写だ。「通常」の児童文学ではあまり出てこない「ねたみ」「さげすみ」「嫌悪感」といった毒々しい人間の心のありようが、主人公も含めてどんどん出てくるし、人間関係でも友人同士の衝突や、周囲からの孤立も頻繁に起こる。これらの「嫌なこと」って子どもの世界では普通なのではないかな。だから若い読者たちから大きな共感を呼ぶのだと思う。

 また、ハリーの家庭環境もなかなか興味深い。ハリーは、ご存知のように両親をウ゛ォルデモート卿に殺され孤児となり、普通の人間の叔父叔母にまったく愛されずに育てられる。11才の誕生日を自分で地面の土に描いたバースデーケーキで祝う場面は今読んでも悲しい。一方で叔父叔母の本当の子どもダドリーは、甘やかされ放題。二人は、一見対照的だ。でも、どちらも扶養者から本当の意味で愛されていないことに変わりはない。このあたりに今の青少年のもつ大人社会全体への不信が読み取れないだろうか。裏を返せば、ハリーを命がけで救い「ウ゛ォルデモート」を愛の力で瀕死にさせた母、守護霊としていつもそばで見守っている父に理想の姿を見たいのだろう。

 そして、最後にもう一つ、主人公ハリーの所属するグリフィンドール寮のスローガンは、「勇気」。まさにそれによってハリーは、絶対悪「ウ゛ォルデモート」と戦い続けることになるが、ここに著者の「子どもたちが逆境にくじけず生きて欲しい」との青少年への熱いメッセージを感じる。

 ハリーがホグワーツ魔法学校を卒業するまでにこれからもハラハラドキドキいろんな出来事が起こるに違いない。それらを一つ一つ乗り越えながら彼は一歩また一歩成長していくのが楽しみだ。しかし、多くの若い読者たちもまた、ハリーおなじような体験をしているんじゃないだろうか?その親近感こそがハリーポッターの面白さのように思う。


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多忙だけど無理しない...でもこんなときは [学校で]

この2週間死ぬほど忙しかった。でも、忙しくしたのは自分だ。前にビョウキになったとき医者にも「一人前の大人ならセルフコントロールできるようにしましょう」とアドバイス(指導かな?)頂いたのにこのありさま...でもビョウキの以前と違ったのは、自分のやりたいことをやった結果だと言うことか。以前は、やらねばとの気持ちが強過ぎ負担になっていた。その状態よりは半歩ましだろう。

教育相談の学習会も職場に呼びかけてうれしい多数の参加。数学の地区の発表会も参加人数はともかく、他の役員の方に助けられて成功したと思う。その間に、赤点すれすれの生徒たちの支援と試験問題の作成。採点....忙しいけど充実した毎日だった。

そのかわりブログがまったく手つかずになってしまった。コメントの返事も遅れてしまい申し訳ない限りである。

そんな師走の毎日のある日職員室の前で待ち伏せされた!〜

バットで襲撃?いやいや1年生の女子生徒が僕の名前を呼ぶのだが、僕はその子を知らない。??って感じで話すと数学I+Aが分からないので教えてほしいとのこと。

う〜ん、今年は1年生は教えていないのに...「君を教えている先生に教わりなさいって」って言いたかったけど、よく見ると目が赤い...

さっきまで泣いていたのか。そうと分かれれば、男気も出すさ。

図書館でたっぷり1時間半勉強に付き合ってしまった。内容は場合の数で、パスカルの三角形、二項定理、それに道の問題、はじめはぎこちない感じだったけど、道の問題を和の法則と積の法則の話(詳しくは、記事「場合の数は、道の問題」参照)にして教えたあたりからいい感じになってきた。

終わりになって、なぜ「僕なの?」って聞いたら、保健室で数学のテストが心配で泣いていたら、大きな3年生の女の先輩(あいつだ!...)が励ましてくれて、そのとき僕を紹介したんだそうだ。

うっ、嬉しいよF子。こんなに忙しいときに見知らぬ生徒を紹介してくれて...でもF子がそんなに評価してくれてるなんて知らなかったな。それにとっても優しいんだね。疲れていたけどなんか嬉しかった(^_^)


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11月の研究会(その2) [学校で]

研究会の仲間のY先生はいつも斬新な研究をされています。この日は、高校入試の問題を材料に高校と中学の連携を目指すと言うもの

ほんの一部だけだが紹介したい.

公立学校の入試で下図のように正三角形ABCの辺を除く内部に点Pをとって△PBCを作り、△PBCの辺PB、PCをそれぞれ1辺とする正三角形QBP、正三角形RPCを△PBCの外部につくります。このとき四角形AQPRが平行四辺形であることを証明する問題が出題された。

この問題を材料に高校の教材にするとのこと、例えば、内部の点Pを△ABCの外接円上にある場合など...実際に調べてほしいがなかなか面白い性質が幾つも発見できる。

その中でも特に凄い!と思ったのが下図の問題。3つの正三角形の中心D,E,Fと点Pで作られる四角形が平行四辺形になる!

これは、よく考えると下図のナポレオンの定理と似ている定理になっている。まだまだこんな問題があったんだと驚くとともに興味をそそられた。


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原爆ドームが残っているということ [学校で]

2年生は、修学旅行へ出発!今年は、広島-関西コースである。やはりメインは、広島での平和学習だろうか。

平和教育と言っても時代とともに少しずつ変わって来た。20年前は、学校での事前学習は、原子爆弾のを科学的に理解する事と、とその廃絶に何が出来るかと言う点が中心であったように思う。また、現地では原爆被害者の方からお話をして頂いた。それは原爆がいかに残酷な兵器か、その被害がどれほど悲惨なものだった。話は具体的で、生々しく、実際の被害者であればこそのお話であった。

しかし、10年ほど前のころから変わって来たように思う。一言で言えば、原爆ではなく、戦争そのものに焦点を置くようになったのである。広島・長崎は、その舞台の一つとの位置づけだ。だから、学習の目的は世界の非核化ではなく、戦争行為の非人間性を学ぶ事に重点を置いている。また、冷戦時に平和運動がどれほど平和に貢献したかについても触れている。

原爆ドームの周りを歩きながらふと疑問に感じたことがある。「なぜ、原爆ドームは残ったのか? こんな悲惨な廃墟は早く取り壊して、見たくなかったのではないか?」

原爆資料館のガイドの方にこの疑問をぶつけてみたところ、「原爆ドームは、戦後しばらく進駐軍の管理下にあり、取り壊すことはできなかった。その後日本に返還されたが、取り壊しを望む人もいたが、被害の記憶を残す場として残してほしい人も多く議論を重ねた結果、保存することになった。保存のための費用は全国からの募金でまかなわれた。」とのお答えに納得!

さらに、「原爆ドームが世界の反核運動のシンボルとなることが、米ソの核戦争を抑止する上で大きな力になった。」と教えて頂いた。

原爆ドームが残っているのが当たり前だと思っていた...まだまだ不勉強だったんだね。


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連続性を考えさせる [学校で]

「関数の極限」や「微分」は教え易いが概念の理解を目指す「連続性」は、生徒の苦手な単元だ。そして教員にとっても教えにくいところでもある。

まず「関数のグラフがつながっているってどういうことなのか」と尋ねると「切れていない」「すーとしてる」との要領を得ない答え。そこで「グラフが x=a で切れているとはどんな状態なのか描いて」と指示。

それが、図A。「x=aのときの値が2つあるのは変だね。」と指摘。それで修正を加えたのが図B

この関数をy=f(x)とすると、「図Bのαは、何?」と質問してα=f(a)はすぐ出てくるが、「じゃβは?」との質問には「?」そこで「lim」を使ったらいいと誘導して、さらにxが大きい方から近づいたことを指摘してを導く事が出来た。

そこであらためて「つながっているとはどんなことか?」との質問をすると、「α=βであればよい」との答。そこまで考えが進めば良いだろう。

x=aで連続であるとは、f(a)  と  の3つの値が等しいときであると定義した。

f(a)=α  右側極限=β 左側極限=β のときのグラフ(図C)を板書した

最後に以下のパターンのグラフを練習問題として書かせた
(1)f(a)=α  右側極限=α 左側極限=β

(2)f(a)=なし  右側極限=α 左側極限=β

(3)f(a)=α  右側極限=なし 左側極限=α


(3)の解答の一つ

お詫び:判別しにくいかもしれませんが、α=アルファ です。


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