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ハリーポッターブームを振り返る [学校で]


今晩は、ハリーポッターの映画の新作のを家族みんなで見て来た。実は、ウチの子どもたちはずーっとファンである。

小説「ハリーポッター」は、あんなに厚い本なのに小学生のころから一気に読んでいた。ウチの子だけでなく、僕の生徒の中にも勉強そっちのけで読んでいた不届きものもいたくらいだ。現在は、第一作が書店に並んだときほどの爆発的なブームはないが、それでも映画やDVD でもなかなか人気があるようだ。
  しかし、なぜこうもこの作品は支持をうけ続けるのか?僕もはじめは魔法や怪物など現実離れしたファンタジーだからウケるのだと思っていたが、どうも違うように思う。

 ハリーポッターの特色(魅力)は、登場人物の生き生きとした心理描写だ。「通常」の児童文学ではあまり出てこない「ねたみ」「さげすみ」「嫌悪感」といった毒々しい人間の心のありようが、主人公も含めてどんどん出てくるし、人間関係でも友人同士の衝突や、周囲からの孤立も頻繁に起こる。これらの「嫌なこと」って子どもの世界では普通なのではないかな。だから若い読者たちから大きな共感を呼ぶのだと思う。

 また、ハリーの家庭環境もなかなか興味深い。ハリーは、ご存知のように両親をウ゛ォルデモート卿に殺され孤児となり、普通の人間の叔父叔母にまったく愛されずに育てられる。11才の誕生日を自分で地面の土に描いたバースデーケーキで祝う場面は今読んでも悲しい。一方で叔父叔母の本当の子どもダドリーは、甘やかされ放題。二人は、一見対照的だ。でも、どちらも扶養者から本当の意味で愛されていないことに変わりはない。このあたりに今の青少年のもつ大人社会全体への不信が読み取れないだろうか。裏を返せば、ハリーを命がけで救い「ウ゛ォルデモート」を愛の力で瀕死にさせた母、守護霊としていつもそばで見守っている父に理想の姿を見たいのだろう。

 そして、最後にもう一つ、主人公ハリーの所属するグリフィンドール寮のスローガンは、「勇気」。まさにそれによってハリーは、絶対悪「ウ゛ォルデモート」と戦い続けることになるが、ここに著者の「子どもたちが逆境にくじけず生きて欲しい」との青少年への熱いメッセージを感じる。

 ハリーがホグワーツ魔法学校を卒業するまでにこれからもハラハラドキドキいろんな出来事が起こるに違いない。それらを一つ一つ乗り越えながら彼は一歩また一歩成長していくのが楽しみだ。しかし、多くの若い読者たちもまた、ハリーおなじような体験をしているんじゃないだろうか?その親近感こそがハリーポッターの面白さのように思う。


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綺華

なるほど・・・・納得してしまいました(^_^;)
私もハリー・ポッターの大ファンで、出来る事なら原書を読みたいくらい。
ま、日本語しか読めないので来年まで待ちますが・・・。

確かに、何がそんなに魅力なのかと聞かれても一言では言えなかったけど
hideoさんがまとめてくれたから、これからはこれを使います(笑)
今回は国語の先生みたいでしたね♪
by 綺華 (2005-12-17 11:37) 

dekochan-kyou5momo

私は読んだことなくて、さらに映画も第1作しか見ていないので、
コメントしようもないのですが、今日のこの記事を見て、
是非読んでみようと思いました。
by dekochan-kyou5momo (2005-12-17 12:26) 

hideo

>ayakaさん

こんんちは〜niceとコメントありがとうございました。ayakaさんもファンなんですね。仲間に出会えて嬉しいです。職場の英語の教員は、「子どもが読める本だから原書でも簡単だよ」とか言っていますが、僕もちょっと...冒険は本の中だけにしておきます。(^^;

あはは、国語の先生って言われたのは初めてです。家族に自慢しよう〜っと!
by hideo (2005-12-17 17:01) 

hideo

>dekochanさん
こんにちは〜お久しぶりです。ずーっとブログできなくて、,deko先生のブログの方にも行ってなかったのに見に来てくれて、おまけにniceまで!本当に嬉しいです。\(^_^)/

ハリーポッター是非読んでみて下さい。その後映画を見ると「この場面をカットしたのは許せない」とかうんちくが言いたくなりますよ〜
by hideo (2005-12-17 17:49) 

三児の母

私もハリーポッターのファンです。第一作を読み始めた時に、魔法の世界のことだけど、現実社会と同じ様じゃないか、なんだ、これは?と感じて以来不思議な魅力にはまってしまいました。敢えて挿絵を設けないだけの豊かな表現と描写、個性豊かな登場人物等に引き込まれて、つい寝不足になってしまいます。下の息子も好きで、映画を見た後、スイッチが入ったのでしょうか、放って置いた第5作の続きを読んでいました。ここにも来年の日本語訳版が待ち遠しい家族がいます(^o^)丿
by 三児の母 (2005-12-18 15:59) 

hideo

>三児の母さん

今晩は〜三児の母さんもファンでしたか!ハリーポッターに限りませんが、本にはまると怖いですね〜(* *)こんな顔で出勤したりして大変です。

第5作は、今まで健全路線だったハリーのイメージが崩れるお話なので、途中で中断してしまう人が多いとか...息子さんの読後の感想に興味があります(^^)
by hideo (2005-12-18 20:50) 

降龍十八章

私もハリーは見たことないです。なので、批評はできないのですが、CSでやっていた『空と飛ぶ魔女学校』(原題はワースト・ウイッチ=最悪の魔女)はメッチャ面白かったです。カナダのドラマ。主題歌もいいですよ。
by 降龍十八章 (2005-12-25 22:02) 

hideo

>降龍十八掌さん
コメントありがとうございます。

「ワースト・ウイッチ=最悪の魔女」 とはすごい題名! う〜ん好奇心が引かれますねぇ〜しかしCSはおろかBSも見れない我が家(子ども達からブーイングされてます)では鑑賞するのは夢のまた夢かな?

よく考えたら日本でも「鬼嫁日記」なんてやってましたっけ、英語にしたら 「The Diary of damon wife」かな? なんか凄まじいですね(^^)
by hideo (2005-12-26 00:26) 

降龍十八章

あけましておめでとうございます。
ワーストウイッチは人間の女の子ながら、その人柄で特別入学許可されたミルドレッドの話です。いわゆる、ドジでのろまなカメ(スチュワーデス物語ふうに)といったところでしょうか。こういう存在って必要なんでしょうね。
by 降龍十八章 (2006-01-01 21:03) 

hideo

>降龍十八掌さんあけましておめでとうございます

なるほど〜スチュワーデス物語堀ちえみさんですかぁ! 仕事に疲れて(失敗して)帰って来て、ドジな主人公が頑張って一歩一歩前に進んでいく物語って結構癒されますね。洋の東西を問わずこうしたお話は人気なのかな。

今年もよろしくお願いします(^_^)
by hideo (2006-01-02 00:33) 

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